HOME > お知らせ >  2009年懸賞エッセイ:奨励賞作品 「仕事と私」伊藤由香さん

2009年懸賞エッセイ:奨励賞作品 「仕事と私」伊藤由香さん

2010/05/23

「仕事と私」
                                       LA071339 伊藤由香

仕事とは生きていくために必要不可欠なものだ。仕事を得るための就職活動は、学生
生活の中での最後の難関である。「やりたいことを仕事にするのではなく、できそうな
仕事をみつけなさい」という助言をわたしは受け止められずにいる。

高校時代にわたしに地理を教えてくれた先生は自分の好きなことを仕事にしている人
の一人だ。先生はわたしたちに中国の雄大さを伝えようと話に夢中になり、
ときどき教壇で飛び跳ねていた、そんな先生には行ってみたいところが常にたくさん
ある。地理学の教師という仕事を通じて、毎日楽しそうな先生のような大人になりたい
と思った。先生が教えてくれた「中国語を話すことができれば、世界の5分の1の人と
話が出来る」という言葉はわたしの中国への憧れを強くした。

一度魅力を感じたら一直線なわたしは現在中国語を専攻している。中国にも日本の
方言のようなものがあり、共通語を学んでも世界の5分の1の人と話せるわけでは無い
ということは入学してすぐにわかったが、また新たに2人の先生との出会いがあった。

先生はわたしたちとともに考える。先生はわたしたちにどう思うかを尋ね、どんな答え
にも、「もしかしたらそういう考えもあるかもしれない」と頷いて聞いてくれる。きっと
いろんな方面から物事を捉えて、わたしたちに投げ返してくれているのだと思う。

先生の授業では、「そういえば・・・」と違う事に向かっていくのかと思えば、いつの間にか
元の問題に戻ってきている。わたしはこの不思議な魅力に惹かれ、さらに先生が繰り
広げる独特な中国の世界に導かれている。

またもうひとりの先生は講義中に「わかりません」と言うことを許してくれない。先生は
「わからないのではなくただ調べが足りない」という。先生は学生にも自分自身にも
厳しい。先生に出会って自分のつくる訳と調べてきた情報に責任をもつことを学んだ。
先生も自分の好きなことを仕事にしている。先生は中国の民俗学や風俗習慣を専門と
する先生であることを「人生の道を間違えた」といっていたが、仕事が好きだから
「間違えた」と冗談もいえるのだろうし、何を質問しても全ての質問に完璧に答える
先生が仕事を嫌いなはずがない。

わたしにとって仕事とはどんな存在になるのだろうか。わたしの出会った先生達のように
楽しい仕事ができるのだろうか。

わたしは考えた結果、やはり好きなことを仕事にしたいと思った。
わたしには好きなことがたくさんある、趣味もたくさんある。わたしは色々なことに興味を
持って、好きなことだけをさせてもらって二十一年間生きてきた。
就職活動をするにあたって、何がしたいか分からなくて頭を抱えていたわたしに、母は
「何でもやってみないと分かるもんか!」と言ってくれた。わたしは母の言葉で目が
覚めた。わたしは好きなことは何でもチャレンジしてきた人間だ。
いままで、大学を卒業するからには、有名企業に入らなければいけないとかやりたいこと
を仕事にすると上手くいかないなど余計なことばかり考えすぎていたが、仕事を一番好き
なことにしてしまえばいい。わたしは好きなことがたくさんある割にはこだわり派なので、
簡単に好きな仕事を見つけられるとは思っていないが、自分にしっくりする仕事をみつけ
るまで、好きなことをひとつずつやってみるつもりだ。仕事探しに近道は無い。一歩一歩
仕事を探す過程を大切にしたい。そして、尊敬する二人の先生のように仕事で生き生き
できるような働きマンにわたしはなりたい。

最新のニュース

トップへ戻る