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2006年懸賞論文:入選作品 「愛国心」酒井桃子さん

2007/03/23

愛国心

酒井 桃子

^現代の日本人は、愛国心を失っていると思う。特に、私たち若者は他国の若者に比べて自国に対する思いや国民であることの誇りを持っていないように感じる。私がこの差を感じたのは留学中に多くの国の学生と話したときである。日本の学生が、自国について多く語ることができないのに対して、他国の学生は自国の誇れる点や問題点を的確に伝えることができていた。また驚いたことに、彼らは問題点について自分なりの解決案を持っていた。彼らと国の関係は、わたしと日本の関係よりも近くて強いものであると感じた。そして、国を誇れる彼らを尊敬すると同時に、日本人はこのままでいいのかという不安感が残った。

^先進国として世界で活躍する日本人が愛国心を持てない原因はどこにあるのだろうか。まず、愛国心という言葉が戦争と結び付く点にあると思う。「お国のために」と戦時中、沢山の命が犠牲となった。また、最近の北朝鮮の報道を見ても、愛国心を持つとは自分を犠牲にして国のために仕えることだというイメージを持ってしまう。そのため、私たちは愛国心を持つことに嫌悪感を抱いてしまうのではないだろうか。別の原因は、日本人らしくあることよりも欧米人のようにあることがよいとされている風潮にあると思う。学校教育においても国語の授業時間を減らして、英語の時間を増やしている。それに、最近では日本人独特の奥ゆかしさよりも欧米人のように意見をはっきりと言うことの方がいいとされている。これは、日本人らしさを捨てて、欧米のスタイルを真似ることで国際人になれると考えているためであると思う。

^このような状況を打破し、日本人が愛国心を持つためには、教育を通じて新しい形の愛国心を伝えていくことが必要であると思う。新しい形の愛国心とは、日本の歴史や文化を深く学び、日本のよい面も悪い面もしっかりと受け止めることから始まると思う。私たちが、今、愛国心を持てないのは日本が嫌いなのではなくて単に日本について知らなすぎるからではないだろうか。日本についてもっと知識があれば、他国との違いを理解できる。そしてその差こそが日本人らしさ、つまり日本人のアイデンティティであり、それに自信を持つことで、私たちは愛国心を持つことができると思う。私は、新しい形の愛国心は、一人ひとり違うものであるべきだと思う。他国の人とのふれあいやさまざまな経験の中で日本人であることや日本という国について考え、自分なりの愛国心を作り上げていくことが大切であると思う。

^高齢化や財政などさまざまな問題をかかえ、日本という国に不安を感じる今日だからこそ、愛国心を持ってその問題と向き合うことが必要だと思う。日本人として生まれてよかったと世界の人たちに胸を張って言えるようになるために、私はしっかりと日本人であるこの意義について考えていきたいと思う。

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